【薬学生就活】その質問は無価値です。知りたいことを知る効果的質問とは?【質問集プレゼント】
会社説明や店舗見学のときには必ず “質疑応答” の時間が設けられています。しかし、多くの薬学生は「なにを聞けば良いかわからない」「質問時間をそんなにもらっても困る」「そもそも質問が苦手」という方が多いように感じます。
「有給ってどのぐらい取れますか?」「店舗の雰囲気って良いですか?」「残業はありますか?」
振り絞って出した質問もこの程度の軽薄なものばかり。貴重な時間も台無しです。この記事を読めばワンランク上の質問ができるようになります。有意義な就活をするためには質問力アップが欠かせません。最後まで読んで「自分が知りたい情報を掴める質問」をしていきましょう!
目次
無価値な質問に共通する3つの特徴
相手に主導権を渡している
質問とはこちらが知りたい情報を収集するための手法です。しかし、「有給って取れますか?」という質問は質問として成立していません。どういうことか?
有給って取れますか?
(ん?アピールしろってことかしら?)
もちろん取れますよ!1年目は10月に10日間付与されます。1年目から海外旅行に行ったり、土日にくっつけて3連休や4連休を楽しんでいる人もいます。アザラシさんと同じ大学の先輩なんか、半年で使い切っちゃったんですよ!笑
もちろん体調不良のために取っておいてもいいですし、弊社では1年目に使わなかった有給を2年目に繰り越すことができるので、使いたいときに使えます!バースデー休暇と言って、皆さんが有給を使いやすいような制度も導入しているので仕事とプライベートを充実させることができます!!!
どうですか?適当な質問をすると知りたい情報を収集するための手法ではなくアピールタイムを提供する手法になってしまいます。会社説明で散々会社のアピールは聞きましたよね?質問タイムには有意義な質問をしましょう。
批判的視点がない
さらに問題だと思うのは、多くの薬学生は素直すぎるということです。
有給って取れますか?
もちろん取れますよ!
使いたいときに使えます!
仕事とプライベートを充実させることができます!!!
へぇ~。そうなんですね。ありがとうございます。
(あ、それだけの確認なんだ)
「えぇ?!」質問それだけ?
「本当に使いたいときに使えるの?」「いつでも取れるって本当?」と、思わないのでしょうか…。就職活動って自分が一生を過ごすかもしれない会社を見つける大事なイベントですよね?一生は言いすぎたとしても新社会人としての貴重な時間を過ごす場所探しであることに変わりはありません。そんな大事な「会社選び」に遠慮とか必要ですか?そんな適当な姿勢で会社選びに失敗しても後悔しませんか?それが嫌なら、しっかり就活をしましょうね。
知りたい内容が不明確
これが無価値な質問をしてしまう一番の理由だと思います。そもそもの話ですが、「自分自身が知りたいこと」を理解していますか?知りたい内容が不明確だからこそ、こんな大雑把で意味のない質問をしてしまうのです。
そして、「自分が知りたいこと」というのは「自分のやりたいこと」がなければ見つかりません。ですから、就活生は自己分析をして「自分の価値観」を知り、「自分のやりたいこと」を見つけ、「自分が知りたいこと」の質問をすべきなのです。
この話は長くなるので別記事でまとめます。本質の部分は置いといて、実際にどうすれば質問のレベルがアップするのか?ということを解説してきます。
質問をレベルアップさせる3つのポイント
知りたい情報を引き出す限定的質問
限定的質問とは、「有給って取れますか?」という漠然とした質問にいくつかの条件を加えて知りたい情報にたどり着く手法です。(名前は勝手につけました。オープンクエッション、クローズドクエッションとは違う意図で話します。)
左側の漠然とした質問に対して、人事担当者であればいくらでも魅力的にアピールすることができます。新入社員200人中、199人は有給を使っていなかったとしても、1人が有給を使って海外旅行をしていれば「1年目から海外旅行に行ったりしてますよ~!」って言えますから。
逆に、右側の質問はどうでしょうか?基本的に聞き出すべき情報というのが限られていますよね?数字を聞けば基本的に答えは1つです。「いつ使いましたか?」「月に何回ありますか?」のように限定すれば多少ごまかすことができたとしても大きく事実からは離れません。
人事担当者も会社を良く魅せるために少し大袈裟に話すことはあります。でも、嘘をつきたいとは思っていません。(万一嘘をつく人事担当者がいればすぐに候補企業から外してくださいw)自分が知りたい内容に限定して質問をすれば、それに従って返ってきますよ!
聞きづらい情報を引き出す枕詞
就活で知りたいのは会社の「強み」「将来性」「働きがい」「働きやすさ」「福利厚生」など様々でしょう。でも、もっと知りたいのは「弱み」「課題」「リスク」「不満」「社員の本音」ではありませんか?
実際に働いてみて、本当に満足しているのか?学生には言えない裏事情はないか?そんなことが気になるお年頃だと思います。洗いざらいすべてを話してくれるとは思いませんが、少しでも知りたいことが知れるように枕詞を付けてみましょう。
※一応補足しておきますが、こんな無礼な質問が認められるのは薬局・DS業界が少し特殊だということは理解しておいてくださいね。
幅広い情報を引き出すアイワナ質問
アイワナとはI wanna(I want to)~から作った造語です。深い意味はありません。
アイワナ質問とは「私は〇〇ということがしたいんですけど、有給取れますか?」と質問をする手法のことです。限定的質問で自分の知りたい情報を絞ったのとは対照的に、自分の知りたい情報を幅広く質問できるのがアイワナ質問の特徴です。
海外に行くことが好きで年に1度は海外旅行をしたいと思っているのですが、有給は毎年使えますか?
自分の要望・希望を伝えることで有給について質問をしたにも関わらず、他の回答が聞ける可能性を秘めています。
(なるほど、ポイントは海外旅行ね。)
えぇ。もちろん可能ですよ。毎年多くの社員が有給休暇を使って海外旅行をしています。弊社には5日連続休暇制度があるため、毎年必ず5日以上連続の休暇が取れます。時期は選べますので閑散期を狙えば航空券も安く済みます。それと、福利厚生の一つでハワイに保養所を持っているのでそちらを利用することが可能です。また、旅行ではないですが毎年若手から数名海外視察研修に参加したりもできますよ。
ここまで自分の知りたい情報が一気に聞けるとは限りませんが、「有給って取れますか?」という漠然とした質問をするよりは遥かに可能性が高いですね。自分のやってみたいこと、希望、懸念点などを加えて質問するのがオススメです。
漠然とした質問 | アイワナ質問 |
有給は取れますか? | 海外に行くことが好きで年に1度は海外旅行をしたいと思っているのですが、有給は毎年使えますか? |
専門認定の資格サポートはありますか? | 入社5年以内に外来がん治療認定薬剤師を取得したいのですが、会社サポートはありますか? |
産休育休制度について教えていただけますか? | 子供が生まれた後も同じ会社で働きたいと思っているのですが、育休や産休制度について教えていただけますか? |
どのようなキャリアアップがありますか? | リクルーターや人事、教育にも興味があるのですが、薬剤師でもこのようなキャリアアップは可能でしょうか? |
質問をレベルアップさせる3つのポイントまとめ
①限定的質問 ②枕詞を使った質問 ③アイワナ質問について解説をしてきました。この3つを意識するたけであなたの質問はほかの就活生とは一味違うワンランク上の質問になります。(別に他の就活生と競う必要はありませんけどね。ただ、自分の知りたい情報を正確に手に入れるためには必要な手法です。)
漠然とした質問 | 有給は取れますか? |
限定的質問 | 1年目社員は何%有給が取れていますか? |
枕詞を使った質問 | 有給取得の支援が充実していると思うのですが、 有給が取りづらい店舗や地域はありますか? |
アイワナ質問 | 海外に行くことが好きで年に1度は海外旅行をしたいと 思っているのですが、有給は毎年使えますか? |
自分の「やりたいこと」や「知りたいこと」によってどの質問をすべきかは変わります。でも、せっかくここまで読んだのですから、何も考えずに漠然とした質問だけを繰り返すのだけは避けてくださいね!
アイワナ質問の弱点
アイワナ質問だけだと、人事担当者の餌食になる可能性があります。例えばさきほど紹介した「リクルーターや人事、教育にも興味があるのですが、薬剤師でもこのようなキャリアアップは可能でしょうか?」という質問です。
この質問をして「いえ、うちでは難しいですね…」と答える人事担当者は居ません!「もちろん可能ですよ!弊社では自己申告制度というものがあり…」と説明されるのがオチです。ですので、「リクルーターや人事、教育にも興味があるのですが、薬剤師もこのようなキャリアアップに進んだ方は何名程度いらっしゃいますか?」とか「現在何名程度在籍されていますか?」とか、「入社5年以内で」とか…
限定的質問を加えて質問するのが個人的にはオススメです。
限定的質問とアイワナ質問の使い分け
限定的質問では自分の知りたい情報をなるべく「現実」に近い状態で聞きたいときに使います。一方で、アイワナ質問は企業の「可能性」について聞きたいときに使います。自分の質問が「人事担当者の餌食になりそうか?」という視点で振り返れば、効果的な質問ができるようになりますよ。
“あえて”の漠然とした質問はOK
これまで、「漠然とした質問」はやめましょうという話をしてきました。でも、それは“何も考えていない”漠然とした質問をやめましょうと言ってきたのであって、“あえて”の漠然とした質問はOKです。
人事担当者はお喋り上手です。多少、会社側の条件が不利であっても無知な学生を掌で転がすことは朝飯前です。(悪い意味ではないですw)自分の条件ややりたいことをすべて最初から伝えた場合、人事担当者は「あなたがなびくポイント」というものを瞬時に察知し、会社のウィークポイントを隠しながら魅力を伝えることができてしまいます。もしくは、不利な情報を質問されるまで説明しないということも可能です。(可能性の話ですよ?)
ですので、最初は漠然とした質問からはじめて、徐々に限定的質問やアイワナ質問をしていくのがいいかもしれません。下に2パターンの会話を記載しています。同じ会社の人事でも質問によって(嘘をつかずに)学生に合わせた回答をすることが可能です。
【パターン1】
新入社員の配属先はどのようにして決まりますか?
皆さんの住んでいる場所やコースなどから総合的に判断して決めます。
病院前、クリニック前の出店割合はいかがですか?
病院前30%、クリニック前70%で出店しており、在宅に力を入れています。在宅の実施割合は90%を超えており、1年目から往診同行の経験も積めます。
(在宅に興味がなかったのでチーン…)
【パターン2】
専門認定薬剤師取得に興味があり、在宅というよりは総合病院前で経験を積みたいと思っているのですが、新入社員の配属はどのようにして決められるのでしょうか?
(いつもは在宅推しだけど、今回は黙っておこうかしら。)
はい。弊社でも専門認定薬剤師の取得には力を入れており、希望に合わせて配属しています。自己申告書というものがあるので、「専門認定薬剤師を取得したい」「総合病院前でキャリアアップしたい」とアピールしていただければ優先して異動してもらっています。
もちろん、上記のような公になっている情報はいずれにせよ黙っていても手に入ります。でも、パターン2の人事担当者のように、「不利になる情報は聞かれるまで黙っておく」ということも可能性としては可能です。ですから、質問は様々なパターンで行うとともに、人事担当者だけでなくOB/OGや現場の若手社員、ベテラン社員、管理薬剤師、役員など様々な人にすべきなのです。
就活で役立つ質問集をプレゼント
質問を挙げだすときりがありません。しかし、様々な質問パターンを知っていると、効果的な質問ができるかもしれません。「バリバリ仕事をしてマネジメントに携わりたい」「専門認定薬剤師として専門性を高めたい」「お給料と立地が一番大事」「福利厚生が充実しておりワークライフバランスが大事」様々なパターンに対応できるよう、イロイロ書いておきます。
全ての質問をする必要はありません。自分にとって大事な質問だけでOKです。
ちなみに、自分にとって大事な(譲れない)ポイントは入社する可能性のある会社すべてで聞いておきましょう。そうしなければ比べようがありません。一度の説明会で聞き漏らしをゼロにすることは難しいと思いますが、なるべく心がけましょうね。
ちょっと見づらいかもしれません。マーカーを引いたり、就活ノートに転記したりうまく使ってやって下さい…。今回はどこでも使える質問を集めてみました。今後はドラッグストアや病院用など特化したものも用意できればなと思ったり…。追々です。
一人ひとり状況は異なりますので、もし個別の相談希望があれば会員登録されて下さい。大切な就活だからこそ、納得して社会人を迎えましょう!
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