【新卒必見】就活の正しい進め方。22卒、23卒薬学生へ。
元人事担当者として就職活動の進め方についてアドバイスをする。闇雲に就活を始めた場合、就活迷子になったり自分の望んでいる企業に出会えなかったり、理想の企業をスルーしてしまう可能性がある。「どこが良いのかわからなくて…」「採用担当の話を聞くとどの企業も魅力的で…」11月~3月ごろにはこのような声が大きくなる。それはなぜか?実は明確な理由がある。そのようなことが起こらないように順序立てて説明をしていく。
目次
まず心得ておくべきことは何か?
就活を進めるには適切な順番がある。その順番とは自分の価値観ややりたいことがあるからこそ企業を選ぶことができるというシンプルなこと。まずはそれを理解していただきたい。
就職活動をする上で、最も大事なことは自分自身が何をしたいか。もちろん就職活動を始めた段階で「自分のやりたいこと」「自分の大切にしている価値観」が明確な人は少ない。だから焦る必要はない。ただし、就職活動中にその答えを見つけなければならないんだということを理解してください。
就職活動では最終的に1社を選ぶ必要があります。もちろん、自分が10社受けて1社しか受からなければ選ぶ余地もありませんが、薬剤師業界では比較的簡単に内定を取ることができます。ですので、他業種とは異なる悩みが出てきます。特に保険調剤薬局やドラッグストアといった売り手市場では「学生が企業を選ぶ」という立場になる可能性が高い。だからこそ、自分の軸を持つことが大事なのです。
どのような順番で就職活動を進めるべきか?
全体の大まかな流れ
- 業界全体のことを大まかに理解する(各業種のやりがいや仕事内容)
- 自分自身の価値観や強みを理解する
- 自分を理解した上で業界を絞っていく
- 自分の価値観に合致した企業を見つけていく(各業界3社まで)
- 選定した企業について理解を深める
- 選定した企業に優劣をつけていく
- 選考会に参加
- 入社する企業を決定
簡単に記載するとこのようなステップを踏む必要がある。次はあなたが何をすべきなのか?ということについて記載していく。
就職活動のTo Doリスト
先ほど記載した大まかな流れをTo Doリストに落とし込んでいく。
- 業界研究
- 自己分析
- 業界選び
- 価値観を軸に企業選び
- 選んだ企業の人と何度も会う。
- 自分により合いそうな企業を選ぶ
- 選考会に参加
- 入社する企業を決定
この大まかな流れは理解できましたか?理解できるまで読み返してください。これが理解できれば、下に書いている通りに就職活動を進めていくだけです。
1.業界研究
まずは業界全体のことを理解する必要があります。ここでは各社が開催している業界研究のインターンシップに参加するか、合同企業説明会で複数の業界の説明会に参加する方法が考えられます。また、インターネットを利用してまとめサイトを利用したり、各業界の大手と呼ばれる企業のホームページを読んでみるのも参考になるでしょう。マイナビなどの就職情報サイトにもまとめられているのでぜひ利用してみてください。ここで大事なのは「どの企業がいいかな?」ではなく、「業界で共通している仕事や課題、やりがいや将来の方向性は?」という視点で進めてください。
2.自己分析
業界研究が終わった段階で半分程度の人は「きっと自分にはAかBの業界が合っているな」とわかると思います。しかし、ここで企業選びを始めるから迷子になるのです。業界が絞れない人はもちろん、業界が絞れた人も自己分析は必須です。
なぜ自己分析が必要なのか?業界がA,B,C,D,Eとあれば仕事内容ややりがいは大きく異なります。ですから自分のことがあまり理解できていなくても何となく「どの業界が合いそうか」ということ判断できます。しかし、今からは同じ業界の中でビジネスモデルや想いが似ている中から自分に合った企業を選んでいかなければならないのです。だからこそ、一度立ち止まって自分を見つめなおしましょう。急がば回れです。
ここでは自分自身で自己分析をする方法と自己分析のインターンシップに参加する方法が考えられます。2020年6月10日現在でマイナビ2022に登録されていた自己分析に関するインターンシップを表示順に記載しました。ご査収ください。
自己分析で知らなければならないことは以下の4つです。
- 自分の強み(人より得意なこと、好きなこと)
- 自分の興味(好きなこと、夢中になれること)
- 自分の大切にしていること(価値観、譲れないポイント)
- つらくても頑張れたこと&その理由
特に3番目と4番目が大事です。この話は長くなるので他記事にまとめます。
3.業界選び
業界選びができている方は次のステップに進んで大丈夫です。
できていない方は、自分が「人と働く方が好き」か「モノを扱うことが好き」などの大きな軸でわけていきましょう。
人と働くのが好き | モノを扱うのが好き |
地元勤務が絶対 | 働く場所はこだわらない |
一生働きたい | 途中でジョブチェンジもあり |
仕事はバリバリ。残業・夜勤は気にならない | ワークライフバランスを重視したい |
この段階で業界を一つに絞る必要はありません。ただ、絞れるのであれば絞った方が各社の比較に力を入れることができます。業界が3つ以上ある場合は次のステップで3社ではなく各業界2社程度に絞った方が良いです。しかし、MRや研究職など他学部とマッチアップする場合はそうも言ってられません。
4.価値観を軸に企業選び
自分の軸(価値観や頑張れるポイント)。これを使って企業探しを行います。
自分の価値観とは…待遇が良ければ多少の苦痛は我慢できる?自分に権限が与えられると頑張ってしまうタイプ?規則で縛られるのは嫌い?同期や友達がいるからこそ頑張れる?注目されるからこそ力を発揮できる?コツコツと勉強するのが得意?大勢のひとりではなく自分を自分とみてもらいたい?
自分の価値観が叶えられる企業なのか?ということを意識して企業選びを行いましょう。会社の理念や社員の想いに共感できるか?自分の価値観が叶えられる制度があるか?などの視点で会社を選んでいきます。
ここで再度、合同企業説明会に参加。(業界研究で合説に参加した時と視点が異なることを意識!)自分の価値観に合致しそうであればインターンシップに参加してアリかナシかを決めていく。ここでとても大事なポイントがあります。多くの合説やインターンシップに参加してOKです。しかし、「自分の価値観に合いそうだ!いいな!」って思った企業が3社になったらこれ以上候補を増やさないこと!
ちなみに自己分析をせずにこのステップに進んだ場合迷子になります。自分の価値観がわかっていないため、どの企業の説明を聞いても「いいなぁ。」って思ってしまいます。これは選んでいるのではなく、ただおしゃべり上手な採用担当の話を聞いているだけです。時間の無駄です。
5.選んだ企業の人に何度も会う。
選んだ3社はこれからあなたが入社する可能性の高い3社です。ですので、若手、中堅、ベテランの人に会うことでその会社の雰囲気や働いている人のことを知りましょう。インターンシップや懇親会に参加することで自分の考えていた価値観とズレがないかを知りましょう。また、会社の良い部分だけでなく“課題”についても質問する。ここで遠慮はいりません。言葉選びに気を付けるだけです。
「入社して良かったポイントと今後の課題と感じることを教えていただけませんか?」
「とても社員の方が満足されているように感じるのですが、ココが良くなればもっといいのになと感じることはありますか?」
「あえて会社の悪いところを挙げるなら何かありますか?」
聞くトーンや場所にもよりますが、枕詞をつけてなるべく相手が話しやすいように質問をしましょう。(薬剤師にとって必要なスキルだったりもしますので苦手な方は練習を!)
6.自分により合いそうな企業を選ぶ
3社の中で自然と順位決めができた方は次のステップに進んでOK です。
「まだ迷っている。。。」という方にアドバイスです。条件ではなく自分の価値観ややりがいを優先して選びましょう。また、企業の方の本気度や「この人と働きたい!」と思える人がいるかも大事です。
その人がいつ辞めるか分からない。だから人で選ぶのは危険だと言われることがあります。もちろん、最初から人で選ぶのはリスクが大きいと思います。ただ、この段階まで来たらどの企業に入社しても大きな失敗はありません。ですから、人事や出会った社員の方の想いに委ねてみてもいいと思うのです。
どうしても順位づけができない場合は次のステップに進んでOKです。①受かると決まったわけではありません。②役員の方との相性や雰囲気を加味して最終決定するのもあり③選考会だからこそ見えてくる部分もある。
7.選考会に参加
もしある程度順位決めができていれば志望順位の低い企業から選考会に参加しましょう。もちろん、「ココしか考えられない!」と1社に決め打ちするのもアリです。人事担当者としては正直かなり嬉しいです。ただ、一つだけ裏話をさせてください。
若手薬剤師としてリクルーターに興味がある方。複数の企業を受けた方がいいと思います。
【理由①】いろんな企業の情報を収集しリクルーターとして経験を活かせる
【理由②】各社、リクルーターに期待していることは迷っている学生を自社に引き寄せることです。「私もすごい2社で迷ったんだけど、○○という理由でこの会社にしたんだよ。」って話せると説得力があると思いませんか?迷っている学生にはとても迷った経験のある社員を充てたいものです。
もちろん2社以上から内定をもらった場合「お断りの連絡」をしなければなりません。それが嫌な方は最初から1社に選んでしまうのもアリだと思います。
8.入社する企業を決定
最終1社に決まったらそれ以外の企業にお断りの連絡をしましょう。電話・メール・LINEなど選択肢は様々です。人事や採用担当の方が本当に良くして下さったのであれば、感謝の気持ちを伝えるために電話がいいかなと個人的には思っています。
選考会が終わったからと言って、すぐに決めないといけないわけではない。ということは知っておいてもいと思います。懇親会などの雰囲気も含めて最終判断をしたい学生もいます。採用担当者はそれも理解しています。ですので、自分の納得するまで悩んでいいんです。そのときは、私もお手伝いしますので連絡下さい。
企業によって「勤務地は早いもの順」「早いもの順で内定を出す」みたいなところもあります。ですので、場合によっては悠長に構えていられないかもしれません。とにかく、最後に駆け足とならぬよう早めのうちから準備しておきましょう。
まとめ
全体の大まかな流れ
- 業界全体のことを大まかに理解する(各業種のやりがいや仕事内容)
- 自分自身の価値観や強みを理解する
- 自分を理解した上で業界を絞っていく
- 自分の価値観に合致した企業を見つけていく(各業界3社まで)
- 選定した企業について理解を深める
- 選定した企業に優劣をつけていく
- 選考会に参加
- 入社する企業を決定
就職活動のTo Doリスト
- 業界研究
- 自己分析
- 業界選び
- 価値観を軸に企業選び
- 選んだ企業の人と何度も会う。
- 自分により合いそうな企業を選ぶ
- 選考会に参加
- 入社する企業を決定
ここまで読んでみて、これからの就職活動のイメージがわきましたか?これらの流れに沿って進めても時間はかかります。「今何をしなければいけないんだっけ?」と思うことがあればこの記事にそのつど戻ってきて確認してください。質問があればコメント欄にお願いします。できる限りのアドバイスをさせていただきます。検討を祈ります!
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