【完全版】日本調剤を徹底調査。年収/口コミ/就活・転職情報
こんにちは。元人事担当者のれぱのんです。今回は薬局業界No.2の売上高を誇る日本調剤を徹底解剖!
企業の基本情報だけではなく、独自に入手した口コミや福利厚生など就活・転職者が知りたい情報を載せています!なお、元人事担当者の個人的意見が多分に含まれているため、気になることは人事担当者や転職エージェント、OB/OGに直接質問することをオススメします。
では、さっそく見ていきましょう!
目次
日本調剤の基本情報
日本調剤の基本理念は「真の医薬分業の実現」です。
日本調剤の概要
【基礎情報】 日本調剤株式会社(NIHON CHOUZAI Co., Ltd.) 〒100-6737東京都千代田区丸の内1-9-1 03-6810-0800(代表) |
【2020年3月連結情報】 店舗数:667店舗(2020年9月1日) 従業員:5,715名(連結/パート含む) 売上高:2,685億円 |
日本調剤は「薬局事業」に加えて「医薬品製造販売事業」と「医療従事者派遣紹介事業(ファルマスタッフ)」の3事業を展開しています。日本調剤では89%のGE変更率(数量ベースの使用割合)を達成しており3事業を連携させながら収益を上げているのが特徴です。
日本調剤の年収
日本調剤の年収は大手の中では標準ぐらいの印象です。実際はどうなのでしょうか?直近3年分の数値と16年分の推移をグラフで見てみましょう。
【日本調剤の年収】 2018年:558万円(平均年齢34.9歳) 2019年:545万円(平均年齢35.1歳) 2020年:539万円(平均年齢34.9歳) |
この数字は非医療従事者を含めた数値となっており、この金額=薬剤師の年収というわけではありません。普通に考えれば医療事務や一般スタッフの年収はこれよりも低く、薬剤師の年収はこれよりも高いと推測されます。
非医療従事者を含めた上でこの年収というのは業界平均の561万円を超えてくる可能性が十分に考えられます。
調剤報酬改定が今後薬局の追い風になるとは考えづらい。年収はこのあたりで落ち着くのではないでしょうか?ドラッグストアであれば伸びる可能性はあるかなと。個人的感想です。
【追加情報】薬剤師の都道府県別平均年収はこちら
新入社員の年収事情
日本調剤では3つのコース(①自宅通勤 ②エリア指定 ③全国勤務) が用意されています。一般に公開されている募集要項には各コース別の手当の違いなどが記載されていないため、大まかにしかわからないのが現状…(詳しくは人事担当者に聞いてみて下さい。)
基本給 | 195,000円 |
薬剤師手当 | 35,000円 |
地域手当 | 20,000~80,000円 |
平均賞与 | 5.62ヶ月(2019年実績) |
家賃補助(②) | 70%会社負担+2万円 |
家賃補助(③) | 80%会社負担+4万円 |
家電購入補助(②③) | 80,000円 |
自宅勤務で地域手当もつかない人の年収
日本調剤で働くときの最低年収はこちらです。(ただし、1年目は賞与が満額ではないのでこの金額よりは低いです。それと、手取りではなく税金が引かれる前の総支給であることを理解しておいてください。)
【毎月の給与】
(195,000+35,000+20,000)×12=3,000,000円
【賞与】
195,000×5.62=1,095,900円
【年収】
4,095,900円
毎月の手取りは20万円ちょっとですが、ボーナスは1回40万円以上手取りとしてありそうですね。7月と12月はちょっとだけ贅沢できそうです!※ただし賞与は評価によります。
全国勤務で地域手当が8万円ついた人の年収
日本調剤は家賃補助がかなり良いですね。普通のサラリーマンが住む家よりもいい家で一人暮らしも可能です。
【毎月の給与】
(195,000+35,000+80,000)×12=3,720,000円
【賞与】
195,000×5.62=1,095,900円
【年収】
4,815,900円
家賃の80%を会社が負担し、最大4万円の家賃補助がつくため、計算上は20万円の家に無料で住めることになります…。マジ?笑 1年間で240万円の家賃代が無料なんですか?大概は田舎に飛ばされてそんなに高価な賃貸住宅もないと思いますけどね…(笑)
奨学金返済サポート
252万円ということで毎月7万円×3年間の恩恵を受けることが可能です。全国転勤で地域手当がマックスつけば毎月の給料が38万円+残業代となり、1年目とは思えない給料を実現することが可能です。(地域手当がないとしても家賃負担なく30万円が貰えるので悪くないかと思います。)
日本調剤の年収に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。口コミはあくまで口コミです。
【年収/給与に関する口コミ】 ・みんなが同じボーナスをもらうというよりは評価によってある程度差をつけてる感じ。 ・ランクの違いがボーナスに影響するのでやりがいはあると思います。 ・給与以外に不満はありません。(給与は不満) ・基本給は低めですが賞与額はそこそこです。 ・1人で暮らしていくには十分。まだボーナスはもらっていないが、欲を出しすぎなければ十分。というか、どこも甘くないので。こんなもんだと思います。 |
どこの企業でも「給与が安い!」と言う人はいます。しかし、日本調剤ではその傾向が少ないように感じました。頑張りに対して手当や賞与で還元されているのが原因なのかな…?あと、賞与額が高いと総支給が同じでも満足度が高いような気がしています。(これは完全にれぱのんの感覚です。)
いずれにせよ、「安い」という口コミはアインより少ないです。(平均年収はアインより低いですけど。)
その他の手当
外部認定専門薬剤師手当 | 50,000円 |
社内認定資格手当 | 5,000~10,000円 |
日本調剤の福利厚生
福利厚生に関する不満は見られませんでした。さすが大手と言ったところです。実際に見ていきましょう。
メインの福利厚生は①薬品使用料支給制度と②えらべる倶楽部だったんですけど…。(えらべる倶楽部はなくなりました。今はリロクラブです。)持病があり、毎月薬代の出費がある人からすると嬉しいですね。毎月手当を貰っているのと同じですからね。えらべる倶楽部は他社でも加入しているところがあるのでオリジナルというわけではありません。が、生活のちょっとしたところで使えるので小さな幸せを頻繁に感じることができます。
休暇制度
日本調剤には今のところ長期休暇の制度はありません。配属店舗により有給の消化率は変わってきます。年間休日は125日あるため薬局業界の中でもやや多く、口コミを見ても「忙しすぎて一切有給が取れない」という印象は受けませんでした。
日本調剤の休暇に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。
【休暇に関する口コミ】 ・有給は取りやすく、お休みもきっちり頂けるので充実しています。 ・早めに希望を出せば大体取れます。ただ、消化率100%は無理。 ・忙しさは店舗によってまちまちだが、有給がほぼ取れない。 ・子供の看護休暇は有給を使わずに休める。 ・5連休などは難しい。夏期休暇が一応ある。 |
薬局、ドラッグストア業界について調べまくったのでわかること。前提として有給が使えるかどうかは店舗次第です。ただ、口コミや評判を平均すると日本調剤は「まだ有給を使いやすい方」だということがわかります。
その他の福利厚生
・従業員持株制度 ・確定拠出年金 ・GLTD(長期収入ガード) ・ゴールドカード入会優待 ・ベビーシッターサービス ・月極育児補助金 ・認可外保育園優先入園枠確保 |
子育て系の福利厚生に加えて、「長期」で働くことを視野に入れた福利厚生もあってバランスがいいですね。ところでGLTDってなんですか?
団体長期障害所得補償保険と言って、保険の一ですね。病気やケガで仕事ができなくなったとき、収入が減ったり無くなると困りますよね?もしものときは「長期」にわたって収入の補償をしてくれます。家族や将来を見据えた福利厚生ですので、あって損はありません。
日本調剤の教育制度
正直、「教育」や「学べる環境」については一流だと思います。e-learningは会社負担で勉強ができます。勉強をして社内資格や外部資格を取得すれば給与に反映されます。専門職として専門性を高めながら年収も上げていけるのは魅力的です。下記はe-learningで学べる内容です。
e-learningで学べる内容が薬や疾患だけでなく、保険や介護、財務諸表など幅広く設定されているのが興味深いですね。教育関係の口コミも見てみましょう。
日本調剤の教育制度に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。
【教育制度に関する口コミ】 ・教育制度はしっかりしてます。学べる会社ではあるけど、店舗によっては忙しさのあまり業務時間中に勉強をするのは難しいです。 ・研修制度が整っており、定期的にe-learningでテストがあります。 ・業務中にe-learningをする時間はなくやっつけでやってる人も多いですね。オーベンネーベン制度は形だけな感じです。 ・学ぶ意欲があれば恵まれた環境だと思います。 ・休憩時間や業務終了後にビデオ研修を受けることもあるが学べる環境ではある。 |
「学びたいのに学べない」ということはなさそうです。研修が時間外にずれ込むこともあるようですが多少はしょうがないですね。本来自分でお金を払って自己研鑽すべきところを会社に負担してもらっているのですから「当たり前」と思わずに貪欲に学ぶべきです。
日本調剤って外来がん治療認定薬剤師が多いって聞いたのですが…
2020年3月現在、薬局業界で「外来がん治療認定薬剤師」を持っているのはは85名しかいない中、21名が日本調剤に所属していると発表されましたね。もちろん病院所属の薬剤師を合わせると1000名近くになるのですが、薬剤師自体31万人以上いますので…。この資格を持っているのは300人に1人以下という計算となります。日本調剤には約3000名の薬剤師がおり、単純計算で10名がこの資格を持っているはず…。
病院の人数を加えても業界の2倍ほど「外来がん治療認定薬剤師」が所属していることになりますので、専門性の高い薬剤師が集まっていると言われるのも納得ですね。若手が病院研修に参加して資格を取得した実績もありますので「専門性を高めたいけどお給料も…」と思う人には日本調剤がおすすめですね。
日本調剤の将来性
日本調剤は今後も「専門性」と「他2事業」を軸に成長していくと思います。2020年の有価証券報告書には日本調剤の「10年後の目標」が記載されています。が、その目標を見る前にまずは今までの数字を理解しましょう。
売上高は順調に右肩上がりですね。10年前と比較すると2.5倍の規模まで成長しています。見るからに青色の「調剤薬局事業」が成長しており、他はあまり大きくは変化していないですね。
現在の売上構成比は85%が薬局事業、10%が医薬品製造販売事業、残り5%が医療従事者派遣紹介事業となっています。この数値、覚えておいてください。後で出てきます。
一応どの事業も右肩上がりで利益は出ているようですね。
10年後の日本調剤はどうなる?
2020年3月期の有価証券報告書に「2030年をメドとした企業規模などのイメージ」という項目があります。日本調剤がこれからどう成長していきたいと思っているのか?見てみましょう。
【2030年をメドとした企業規模などのイメージ】 1.売上高1兆円規模を展望 ※連結消去前、各事業セグメント単純合算 2.調剤薬局市場におけるシェア:10% 3.ジェネリック医薬品市場におけるシェア:15% 4.収益ポートフォリオの深化(調剤:他の2事業=50%:50%) |
これ、可能なんですか?今の売上高って2600億円ぐらいですよね?調剤:他の2事業も85%:15%でかなり偏りがあると思うんですけど…。
2020年に発表された薬局、ドラッグストア業界の市場規模はそれぞれ7.7兆円と言われています。すでに矛盾が生じていると思いませんか?
調剤薬局市場の10%を占めるということはそれだけで7,000億円の売り上げを意味し、売上高1兆円を達成しても70%:30%になるし、5,000億円ずつ売上げた場合は調剤薬局市場におけるシェア10%を達成できないということですね?
そういうことですね。とりあえずキリのいい数字を並べてあとは「できる限り頑張りましょう」っていう感じなんでしょう。
【参考文献】
調剤医療費(電算処理分)の動向(令和元年度)
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[…] そもそも日本調剤の給料が高いという認識がなかったです。平均年収はこの記事内で539万円とご紹介しています。https://yakuzaishi-tensyoku.work/archives/1429 […]