【完全版】ウエルシア薬局を徹底調査。年収/口コミ/就活・転職情報
こんにちは。元人事担当者のれぱのんです。今回は2020年、2年ぶりの1位に返り咲いたウエルシアについて見ていきます。(来年の1位はマツモトキヨシでしょうけど…。)2019年から年棒制→月給制に変わり、一部で不満も出たようです。が、それでも高い給与水準を維持しています。
企業の基本情報だけではなく、独自に入手した口コミや福利厚生など就活・転職者が知りたい情報を載せています!なお、元人事担当者の個人的意見が多分に含まれているため、気になることは人事担当者や転職エージェント、OB/OGに直接質問することをオススメします。
では、さっそく見ていきましょう!
目次
ウエルシアの基本情報
ウエルシアはドラッグストア業界で1位の売上高を誇る会社です。ウ”ェ”ルシアではなくウエルシアですのでご注意を。「ウエル(Wel)」には健康、「シア(CIA)」には国という意味を持たせています。
ウエルシアの概要
【基礎情報】 ウエルシア薬局株式会社(英記:WELCIA YAKKYOKU CO.,LTD.) 〒101-0021 東京都千代田区外神田2-2-15 |
【2020年2月最新情報】 店舗数→2,012店舗(連結子会社含む) (調剤薬局:1,442店舗) (深夜営業:1,514店舗) 売上高→8,682億円 営業利益→378億円(営業利益率:4.35%) 従業員→9,882人(臨時雇用者数:20,670人、薬剤師:5,398人、登録販売者:13,152人) |
ウエルシアの年収事情
ウエルシアでは給与制度の改定に伴い、年棒制から月給制へ。給与の下がった方が大半のため不満もあったようですが、依然として高い給与水準です。ウエルシアの基本給や薬剤師手当、その他地域手当などの詳細は公開されていません。すぐにわかるのは以下の3点のみ。(マイナビ参照)
- 基本給:355,000円
- エリア職:年収5,155,000円~
- 全国職:年収5,595,000円~
基本給が本当に355,000円なのか、薬剤師手当などを含んだ新入社員の総支給額が355,000円になるのか。全く意味合いが変わってきますので確認しておきましょう。とは言え、エリア職で500万円超えは魅力的ですね。薬局大手より年間100万円ほど多くなる計算。(34歳で生涯賃金に1,000万円以上の差が…。50万円の豪華旅行20回分。)
総合職であれば会社が家賃を80%負担してくれます。(別途住宅手当あり)全国職なので各社の地域手当を加味して給与比較して下さい。地域手当で月額10万円以上の差が出る可能性もあり、基本給や薬剤師手当だけを見て会社選びをすると損をする可能性があります。
【元人事から一言】
入社する可能性が高い場合は、給与の内訳についても理解しておきましょう。調整給などがある場合は、2年目以降、年収があがりづらかったり、手当によっては期間限定の可能性もあります。また、家族手当など後から使える手当などもありますのでお給料重視の方はお見逃しなく。
ウエルシアの年収に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。年棒制→月給制の変更は最近行われたため、その関連内容が多かったですね。(今後入社する人には関係ないので省きます)
【年収/給与に関する口コミ】 ・調剤のパート薬剤師の時給は2600円と高水準。 ・エリア職と全国社員(総合職)とでボーナスに50-100万円単位の差がある ・毎年必ず昇給するわけではない。試験次第。 ・等級制。最初の給与は高いが上がりづらい。 |
【元人事から一言】
全国職とエリア職ではボーナスにはっきりと差をつけている印象でした。とは言え、エリア職でも薬剤師の平均年収近く支給されるため高い水準であることは間違いなし。最初が高いので出世しない限り昇給しないのは当たり前。
その他の手当
交通費 | 最大100,000円 |
ウエルシアの福利厚生
休暇制度
長期休暇制度はありません。年間休日は116日。ドラッグストア業界の中で考えると少なくはありません。週2日の休暇は取れるが、連休はほとんど取れないという口コミが多い。旅行を頻繁に行いたい人にはやや向いていない印象。有給消化率はきちんと確認しておきましょう。(手元の資料では50%以上あると書かれていました。)
ウエルシアの休暇に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。
【休暇に関する口コミ】 ・長期休暇は基本的にない。サービス業なので土日出勤は当たり前 ・月の休日は9-10日程度。 ・薬局でも店舗によっては24時間、日祝開局もある ・組合ができて、季節休ができたが取れるかは別の話 |
【元人事から一言】
有給を全く取れないという印象はありませんでしたが、一人薬剤師店舗もあるため、あまり期待し過ぎない方が良いです。休日自体が多くても連休取得で海外旅行ができる印象はありません。
2日勤務→1日休み→3日勤務→1日休み→…みたいなのが一般的だと思います。この働き方は慣れると5日勤務→2日休みより楽だったりするので実は悪くなかったり。
その他の福利厚生
比較的充実しているのではないでしょうか?特に、長期で働くときに安心できる保険が充実しています。
【元人事から一言】
家賃補助など直接収入に関る項目を除いて、福利厚生で会社を選ぶことはないと思います。とは言え、大事なポイントでもあります。「社費留学制度」や「活動助成金制度」は実際に使われているかどうかが大切。年間で何名が使用したか?など人事担当者がごまかせない指標で質問をしましょう。
(以前は東京ディズニーランドの割引チケットなどもあったようですが、もうなくなってるはず。)
ウエルシアの教育制度
入社2年で研修認定薬剤師を取得するプログラムが組まれています。(研修は業務扱い)単位取得後は会社費用で更新申請をすることができる。
1,2年目は基礎研修、3年目は専門研修、4年目は上級研修が組まれています。外来がん治療認定薬剤師の育成に向け、筑波大学院/順天堂大学病院と連携。2020年4月現在、1名の外来がん治療認定薬剤師が在籍しています。
ウエルシアの教育に関する口コミ
れぱのんが独自に調査した結果をシェアします。
【教育に関する口コミ】 ・e-learningは無料で受けられるが、時間が取れない ・パートの研修は特にない ・職場環境の当たり外れが大きい。マニュアル分厚すぎ |
【元人事から一言】
新入社員研修に関する書き込みがほとんどありません。「学べる環境」という口コミも多くありません。e-learningを受けられるため自己研鑽をすることは可能です。逆に、研修の質が低いという口コミもないため、そこそこ満足はしてるけど特筆するほどではないというレベルだと思われます。教育/研修制度に強い期待寄せている人はご注意を。会社によっては実際の研修資料を見せてくれたりしますので、興味がある人は質問してみましょう。
ウエルシアの将来性
ドラッグストア業界第1位として、売上高は8,000億円を突破。ツルハとともに順調な成長を続けています。まずはウエルシアの売上推移について見てみましょう。
わかりやすく成長していますね。薬剤師に最も関係のある調剤事業(黄色)についても順調です。総売上高は2008年から11年で4倍以上の規模へ成長を遂げました。
一応、売上構成比についても確認しましょう。
調剤薬局事業(黄色)は徐々に比率を伸ばしています。一方でOTCや衛生介護用品(水色)についてはやや減少傾向。黄色+水色の合計割合で見ると微増。
保険調剤薬局と比べると調剤報酬改定の影響が小さいことは一目瞭然。今後のライバルは保険調剤薬局ではなくコンビニエンスストアになるでしょう。プライベート商品を開発するドラッグストアが現れれば収益を大きく伸ばすのではないかと思っています。(セブンイレブンがかつてそうでしたね。)
この経常利益率を見て、どう思いますか?
順調?不調?ドラッグストア業界の中では高い?低い?
このような基本的数値を知っておいて損はありません。「出世したい」「マネジメントに携わりたい」と思っているのであれば必須。常に数字を意識しておきましょう。
ウエルシアと他社比較
ドラッグストア業界の中でウエルシア(赤色)の経常利益率は特別高いわけではありません。利益よりも規模拡大を優先しているとも捉えられます。そのお陰もあってか、売上高は順調に推移しています。
ツルハ(水色)とウエルシア(赤色)が他社をごぼう抜き。すごいですね。
来年はこの図からココカラファインが消えてマツモトキヨシの売上高が急上昇。1位の座は奪われるでしょうが、この成長率を維持すれば1位を再び奪還する可能性も十分に考えられます。
「出世を考えている人」は有価証券報告書などから他社と何が違うのかを自分なりに分析してみましょう。採用面接で自分なりの視点を述べつつアピールすることも可能。(一般企業であれば当たり前)「私は〇〇のように考えたのですが、如何でしょうか?」と、自分なりの意見を述べて印象に残る。入社前から「優秀さ」をアピールしておきましょう。
経常利益率は高くありませんが、企業規模が大きいため利益はきちんと出ています。(ツルハの方が常に高いですね。)
「出世」や「マネジメント」に興味がなければ「へぇ~」という感じでOKです。当分は潰れないでしょう。右肩下がりな企業や伸びていない企業はM&Aの対象になるかもしれませんが…。
ウエルシアの中期経営計画
ウエルシアのIR情報には2023年の目標が記載されています。
中期計画【2023年2月】
売上高:1兆800億円
経常利益:540億円(経常利益率5.0%)
店舗数:2,308店舗
ちなみに、2017年の決算説明会資料では2020年の目標を①売上高8,000億円 ②経常利益率4.5%と掲げており、2020年2月にどちらも達成しています。ちなみに店舗数の推移は下記の通り。
2014年~2015年にかけて大きく店舗数を伸ばしていますね。ちなみに現在の調剤併設率は71.4%です。2008年の62.2%から9.2ポイント伸ばしています。
ウエルシアの今後の展開
2020年10月に「医療開発部」が新設されたとPNBで紹介されていました。これは店舗の2階などのスペースに医師を誘致する部署です。1月時点で既に7件の実績があり30-50件が別途進行中。モール型かマンツーマン型かは分かりませんが、クオールやアイセイ などと事業モデルがややかぶってきますね。
こうなると、資本力のあるウエルシアが一気にそのお株を奪う可能性もあり、薬局からするとやや苦しい。ドラッグストア 陣営からの侵略はしばらく収まりそうにありませんね。
ウエルシアのまとめ
給与の手当については追加調査が必要ですね。情報があれば教えて下さい。とりあえず簡単にですがまとめてみました。(随時追記していきます。)
今後もドラッグストア業界で一定の存在感は示すと思います。イオンが親会社とは言え、急にイオンに吸収合併と言うことはないでしょう。給与や福利厚生はやや改悪傾向にありますが、まだまだ悪くはない。ウエルシアは「雰囲気の良さ」にも一定の評価があります。(私が調べた限りでは…)男女平等、若手の抜擢についても口コミを読む限り、平均点以上のポテンシャルがありそうです。店舗数が増え続けてますからね。それなりにポジションはあります。
自分が何をしたいのか?なぜそれをしたいのか?ウエルシアであれば叶えられるのか?という視点で転職、就職活動をされて下さい。
未来を知ることはできませんが、過去から予想することはできます。過去を知れば予測の精度が少し上がったりするかもしれません。ということで2014年の記事です。ウエルシアのちょっといい話を紹介しておきます。→ウエルシア創業者、イオンに託した「遺言」
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