薬剤師が年収1000万円を狙える5つの職業【20代にもチャンスあり!】

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こんにちは元人事担当者のれぱのんです。

今回は薬剤師として「1000万円!」という大台突破を目指せる職業を5つご紹介します。高給取りと言われる薬剤師でも令和2年の平均年収は561万円です。倍近く稼ぐのは並み大抵のことではありません。

しかし、経験者として言わせて下さい。20代の薬剤師ですら1000万円のチャンスはあります!

 

薬剤師業界の年収事情を理解する

まず、薬剤師業界全体について正しく理解をしておく必要があります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和2年)によると、薬剤師全体の平均年収は561万6500円です。じつはこの20年間で少しずつではありますが、年収があがっています!

賃金構造基本統計調査(令和2年)参照

2019年と2001年の年収を比較すると60万円もの差があります。全体の流れとしては毎月のお給料が増加傾向にあり、賞与は減少傾向ですね。自分自身の給与と比較する際は毎月の給与と賞与を分けて考えると良いかもしれません。

また、地域によって平均年収には大きな差があります。気になる方はこちらをご覧ください→都道府県別年収ランキング。1位は698万円の〇〇県!!

 

さて、薬局全体の年収についてはわかりましたね。では、実際にどの業界の年収が高いのか?「病院は年収が低い」「個人薬局は年収が高い」「MR職は1000万円を狙える」という噂は本当なのでしょうか?

実は、ちょっと違います。

 

病院と薬局の年収事情

毎月の給与賞与合計
病院370,800円1,137,685円5,587,295円
薬局(一般薬剤師)347,386円570,292円4,738,925円
薬局(管理薬剤師)563,639円754,794円7,518,472円

令和元年に実施された医療経済実態調査によると病院薬剤師の年収は558万円とほぼ平均年収ぐらいあることがわかっています。これは予想外ですね!

そして何よりも驚いたのが薬局の一般薬剤師は年収が低い!ということです。平均年収よりも90万円ほど低い。薬局=高給取りというイメージはそろそろやめた方がいいかもしれません。

病院の年収が高い理由は「薬剤部長」「薬剤副部長」の給与が高いため全体平均を押し上げている。「夜勤手当」の割合が大きい。ことが考えられます。

 

もう少しだけ詳しく見ていきましょう。

 

病院の中で給与が高いのは〇〇病院!

毎月の給与賞与合計
国立病院366,932円1,249,431円5,652,620円
公立病院382,168円1,373,038円5,959,059円
医療法人366,695円845,847円5,246,187円
病院平均370,800円1,137,685円5,587,295円
診療所744,601円951,422円9,886,638円

病院の中で最も給与が高かったのは公立病院です!もちろん病院によって給与体系は異なりますが、医療法人だけでなく「公立病院」「国立病院」も視野に入れてみてはいかがでしょうか?

そして驚きは診療所!!平均年収が988万円ということで1000万円を狙える求人の1つ目は診療所です!田舎の方が給与は高いでしょうから、僻地の診療所であれば期待できますね!

 

実は病院の転職でも600万円、700万円の案件は比較的あります。ただ、人の少ない過疎地が多いため、地域にこだわらない方であれば病院/診療所勤務でも年収アップが狙えます。(病院の案件は転職サイトによって扱っていないことがあります。都道府県別で使うべき転職サイトをまとめたので気になる方はこちら→都道府県別の転職サイトランキング

 

薬局で狙うべきは〇〇薬局の〇〇薬剤師!

一般薬剤師と管理薬剤師の年収を薬局の規模別でみてみましょう!

一般薬剤師毎月の給与賞与合計
1店舗334,578円470,568円4,449,514円
2-5店舗357,001円437,770円4,721,781円
6-19店舗336,970円536,484円4,580,168円
20店舗以上346,035円739,042円4,891,469円
全体平均347,386円570,292円4,738,925円
管理薬剤師毎月の給与賞与合計
1店舗661,169円316,771円8,250,804円
2-5店舗626,702円532,878円8,053,307円
6-19店舗541,379円841,769円7,338,326円
20店舗以上475,552円1,096,002円6,802,625
全体平均563,639円754,794円7,518,472円

この表を見てわかるように、一般薬剤師は店舗数が多いほど年収が高く管理薬剤師は店舗数が少ないほど年収が高いですね。店舗数の少ない薬局=家族経営です。ですから当然管理薬剤師(身内)の給与は高く設定されています。

「個人薬局の給与=高い」とは言えないことがわかりますね。ただし、夢があるのも事実。

何を隠そう、れぱのんは20代で「時給5,000円」「時給5,500円」「時給6,000円」を個人薬局から提示されたことがあるのです!(もちろん転職サイト経由で。)

ちなみに…

時給5,000円×週40時間勤務×週休2日×残業なし=1040万円
時給5,500円×週40時間勤務×週休2日×残業なし=1144万円
時給6,000円×週40時間勤務×週休2日×残業なし=1248万円

ということで1000万円を狙える求人の2つ目は個人薬局(地方)です!契約社員だと年収がアップしやすいのでなるべく早くお金が必要な方にはこちらがオススメです!(ちなみに、大手調剤薬局の経験があったため、基礎ができていると高く評価してもらえました。)

正しい転職サイトを選ぶことがコツですね。失敗しない転職比較サイトの見つけ方についても解説しているので、気になる方はご覧ください。

 

製薬業界の年収事情

「製薬業界は年収が高い!」と言われますよね?確認してみましょう!

大手製薬企業平均年収
武田薬品1091万円
大塚製薬1032万円
アステラス製薬1089万円
第一三共1126万円
エーザイ1037万円
中外製薬1017万円
大日本住友903万円
田辺三菱846万円
塩野義製薬943万円
協和キリン861万円
小野薬品工業928万円
大正製薬852万円
参天製薬821万円
meiji1020万円
沢井製薬603万円
各社の有価証券報告書参照(2020)

 

内資製薬企業上位6社で1000万円達成!他の企業も800~900万円ということで、社内できちんと成績を残せば1000万円が見えてきます!!ということで1000万円を狙える求人の3つ目は製薬企業です!

製薬企業であれば基本的に正社員入社ですので、契約社員と異なり安定して1000万円をたたき出せるのが魅力的ですよね。MRはここ10年ほどでどんどん数を減らしており、今後もネット環境の充足により競争は激化しそうです。逆に、テクノロジー×開発などの分野へ進めれば1000万円以上も見えてきます。

MRの希望退職ですが、「肩叩き」もあったようです。

MRに憧れて入社するだけでなく、目に見える結果を残していくことが生き残るためには必要と言えます。実力主義ですが働きがいがありますね!

 

CRO業界の年収事情

CRAとして働くとお給料がいいって聞いたことがありませんか?ParexelとIQVIAは外資なので置いておいて…内資の大手3社を見てみましょう!

平均年収
エムスリー(MIC)8,221,000円
EPS12,317,627円
シミック8,403,726円
各社の有価証券報告書参照(2020)

 

なんと!もちろん幹部クラスまで行っての話ですが、外資のCRAであれば1000万円の可能性があります。まずは国内でCRAとして働き、転職を2、3回しながら経験を積む。英語力も身に付けて外資のマネージャークラスになれば1000万円がいよいよ現実的となってきます!

外資系企業は日本の終身雇用制度と違い、中途採用を当たり前のように行っています。ですので、新入社員として入れなかったとしてもきちんと結果を出しておくことで可能性を広げられます。実際に(マネージャー職へ就かず)外資系へ転職しただけで年収が100万円上がったケースもあり、薬局業界と似ている部分もありますね。

 

ということで、1000万円を狙える求人の4つ目は外資系CROでCRAとして働くです!

 

大学教授の年収事情

今までと少し毛色の違う業種がやってきました!「大学教授は高給取り」というのは世間一般の認識ですが…実際に賃金構造基本統計調査(令和2年)からデータを見てみましょう!

毎月の給与賞与合計
講師510,300円1,639,100円7,762,700円
准教授566,600円2,400,700円9,199,900円
教授708,000円3,349,400円11,845,400円

基本的に私立の方が年収は高いと言われています。このデータは薬学部に限ったデータではありませんが、薬学部の教授の給与が特別低いとは考えられません。ということで1000万円を狙える求人の5つ目は教授として働くです!

 

研究が好きな人にとってはこれほど魅力的な職業はないかもしれません。(大学の成績が学年トップクラスで悪かったれぱのんには縁もゆかりもない職業です。笑)

 

ちなみに、国公立の教職員は年収が公開されています。東京大学と京都大学を見てみましょう。

東京大学平均年収最低~最高
講師867万円645~1052万円
准教授951万円697~1152万円
教授1196万円873~1901万円
東京大学 様式 1 公表されるべき事項参照

 

京都大学平均年収最低~最高
講師832万円684~947万円
准教授897万円663~1073万円
教授1095万円868~1565万円
京都大学 様式 1 公表されるべき事項参照

 

これだけ権威のある大学ですから1000万円を超えていて逆にホッとしました。東大には教授が1153人おり、教授の人件費だけで137億8988万円。総人件費は1年で1081億円(108,177,913,000円)です!!これは薬局業界6位のI&Hや7位のメディカルシステムネットワークの売上高に匹敵します。

 

1000万円を狙える職業まとめ

今回ご紹介したのは以下の5つです。

  1. 僻地の診療所
  2. 個人薬局の管理薬剤師
  3. 製薬企業
  4. 外資系CROのCRA
  5. 大学教授

薬剤師の平均年収は561万円、一般薬剤師の平均年収は473万円でしたね。1000万円を超えるにあたって大事なことはなんでしょうか?

 

僻地の診療所人の少ない地域で不便
個人薬局の管理薬剤師大手のような福利厚生がなく、薬事法ギリギリの忙しさかもしれない
製薬企業実力主義で仕事がハード
外資系CROのCRACRA経験と英語力が必要
大学教授助教、講師、准教授と時間がかかり研究に身を投じる

 

このように、何かしらの「我慢」や「努力」「成長」が必要と言えます。
1000万円を目標に努力を行い、ついに1000万円を達成した時…どんな気持ちになるでしょうか?きっと、「ここまで頑張れた…!」という一つの達成感が得られると思います。少しだけ、頑張った自分を好きになれるかもしれません。

 

年収をアップさせるためにできること

1000万円にすぐ到達ができないとしても、そのために準備を行うことはできます。500万円の給料がいきなり1000万円になるわけではありません。500→550→600→720→725→690→750…→1000万円達成!となるわけです。今の自分にできることは何か?ということを理解して1000万円を現実のものにしていきましょう!

 

管理薬剤師に挑戦する

管理薬剤師であれば月に3~5万円程度の役職手当が付きます。また、管理職経験があると転職で有利にもなりますので非常にオススメです。在庫管理やシフト作成、店舗内のマネジメント、行政手続き、店舗の数字管理など薬剤師としても社会人としても貴重な経験を積むことが可能です。

年収換算で36~60万円程度アップさせる可能性を秘めています。

 

資格を取得する

研修認定薬剤師は必ず取っておきましょう。これからの時代には欠かせない資格です。可能であれば専門認定資格にもチャレンジして下さい。「がん専門薬剤師」「外来がん治療認定薬剤師」「HIV感染症専門薬剤師」「HIV感染症薬物療法認定薬剤師」「腎臓病薬物療法認定薬剤師」など専門性が高く施設要件にも含まれてくるような資格であれば年収アップが見込めます。「小児」や「漢方」など比較的簡単に取得できるものは、転職先や企業によって手当の有無が異なります。

研修認定薬剤師取得→1万円、専門認定資格取得→3~5万円ていどの手当がつくことが多いです。12~60万円ほど年収アップが見込めます。高度な資格を持っている場合は評価が高くなり昇給や賞与に繋がり、年収100万円アップも現実的です。

 

働く時間を延ばす

休日出勤、夜間勤務、残業などがこれに当たります。働いた分だけ確実に給与に反映されるためわかりやすいですね。例えば月に2日多く働けば年間で30万円ほど年収アップをすることが可能です。夜間と残業は普段の1.25倍、休日は普段の1.35倍の金額を稼ぐことができます。(もちろん変形労働時間を採用している場合は別です)

月40時間ほど残業すれば月8~10万円ほどの手当がつき96~120万円の年収アップが見込めます。

 

働く場所を固定しない

いわゆる「ラウンド薬剤師」や「全国勤務」などの人を指します。様々な店舗へヘルプに行く。もちろん勤務店舗が決まっていないので異動や慣れない店舗で大変なこともあると思います。また、全国勤務にすれば会社次第なのでどこへ飛ばされるかわかりません。

一方で、手当が充実しているケースが多く、「エリア→全国」へ勤務地を変更するだけで10~20万円の差が生まれます。これは年収にすると120~240万円の差となり、一気に1000万円へ近づくことが可能です。また、全国勤務者は出世も早いのが特徴です。(ただし、役職に就くと残業代が出ないため、残業代で稼いでいた人は年収ダウンになる可能性もあります)

全国勤務者は家賃手当が80~100%会社負担となり、給与とは別に出費を年間で50~80万円ほど減らすことができます。自由に使えるお金が増えるという意味ではとても価値のある福利厚生ですね!

 

転職をする

役職や働き方を変えずに年収をアップさせるなら転職しかありません。「薬剤師として基礎ができていること」という非常にハードルが低くありながら、年収アップの可能性大!毎年の昇給が2000~3000円であれば年収を100万円上げるのには20~30年もかかります。1000万円なんて夢のまた夢です。

しかし、転職を使えば50~100万円以上の年収アップは珍しくありません。これは10~20年という時間の短縮を意味します。転職とは「効率的に年収をアップさせる手段」だと思います。薬剤師業界では「転職」が珍しいものではありません。ただ、注意も必要です。「自分の希望する地域、職種に合わない転職サイトに登録した場合、時間だけ浪費して納得する転職ができない」というリスクがあります。ですので、転職サイトは慎重に選んでください。下記のページでしっかりとリスクヘッジをしておきましょう。

元人事が教える失敗しない転職サイト選び
都道府県別おすすめ転職サイト

 

年収アップさせるためにできることまとめ

管理薬剤師に挑戦年収36~60万円アップ
資格を取得年収12~60万円アップ
働く時間を延ばす。(月40時間)年収96~120万円アップ
働く場所を固定しない(全国勤務)年収120~240万円アップ
(支出50~80万円減)
転職をする年収50~100万円以上のアップ

 

年収をアップさせる人の行動

年収をアップさせられる人とさせられない人には1つ、大きな違いがあります。

年収をアップさせられない人は「なるほど。そうなんだ。」と納得するだけで終わり。結局自分のこととして考えられない。「今から行動の”なに”を変えればいいか?」という思考に至らない。結果、何もしない。

 

年収をアップさせられる人は「なるほど。そっか!そしたらまずは転職サイトに登録してみよう!資格のことについて調べてみよう!」と行動するわけです。年収をアップさせられる人とさせられない人の決定的な違いは「行動」です。

 

このことを理解して、ぜひとも前向きな行動をしていただきたいと思います!もし、転職で相談したいことがあればTwitter(れぱのん@薬剤師(元人事))かコメント、お問い合わせから連絡をください。できる限りのサポートをさせていただきます!!

都道府県別×職種別の転職サイトランキングもご用意しています。自分に合った転職サイトが知りたい方はこちら。(登録は1分で終わります。行動しましょう!)

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鳥取島根岡山広島山口
徳島香川愛媛高知福岡
佐賀長崎熊本大分宮崎
鹿児島 沖縄    

 

最後までお読みいただきありがとうございました!

 

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